カテゴリー
じぶんで整備

じぶんで整備:スーパーLLC ってほんとに長寿命なの?

冷却水(クーラント)に使われる「LLC(Long Life Coolant)」、最近のクルマにはさらに長寿命な「スーパーLLC」が採用されているとか。普通の LLC と スーパーLLC の違いを調べてみました


普通の LLC と スーパーLLC

自動車のクーラントって「LLC」と「スーパーLLC」ってのがあるんですよね

うん。基本的にはこの 2種類 みたい

スーパーLLC も劣化する

スーパーLLC って、新車から 10 年くらい無交換っていうのもありますよね

うん。メーカーによってはすごく長いですね

スーパーLLC って 10 年も劣化しないの?

ううん、劣化はするみたい

スーパーLLC の長寿命は「錆びにくさ」

スーパーLLC は、劣化しても「部品の錆びにくさ」が持続するように工夫されてるの。他の不凍液としての性能は普通に劣化しちゃいます

スーパーLLC は「とにかく錆びにくいLLC」ってことなんですね

防錆剤の量の違いではない

普通のLLC でも防錆剤って入ってますよね。スーパーLLC は防錆剤が特盛とか?

ううん。防錆剤は単純にいっぱい入れると効くって訳じゃないの。なので量の違いじゃないんです

エチレングリコールが劣化し始めてからが違うらしい

主成分のエチレングリコールが劣化すると酸が発生して金属を溶かすらしくて。おまけに溶けた金属が防錆剤と反応して沈殿物や沈着物ができちゃうんだとか…

エチレングリコールが劣化(分解)するとギ酸やグリコール酸が発生。これによって、特にアルミ製の部品に影響が出ます

防錆剤がむしろ逆効果?配管が詰まったりしそう

そう。なので、溶けた金属と反応しても沈殿物が発生しないような防錆剤が開発されてるの

そういう沈殿しにくい新開発の防錆剤を使ってるのが「スーパーLLC」なんですね

錆びないけど凍結する?

でも、エチレングリコールが劣化(分解)しちゃうのは、スーパーLLC でも変わらないんですね

そう。なので、エチレングリコールの劣化で起こること、たとえばクーラントが凍結しやすくなったりとかには注意かも

交換しない分、前より管理に気を配らないといけないんですね

ウォーターポンプの故障にも注意

クーラントの配管には「ウォーターポンプ」って部品が設置されてるの。この部品にはクーラントが漏れないように「メカニカルシール」ってしくみが使われてるんだけど…

漏れちゃうとか?

うん。エチレングリコールが劣化すると、メカニカルシールが潤滑不足になることも。異音が出たり、漏れが発生しやすくなるみたい

スーパーLLC で無交換が続くときは、こういうところにも注意なんですね

メカニカルシールに不具合が出ると「キュルキュル音」がするそうです。ただし、ベルトの張力が低くてスリップしてるときも同じような音がするとか

尚、ベルトの張力が高すぎてベアリングが壊れちゃったときは「ガラガラ音」「ゴロゴロ音」がするそうです

クーラントがきれいでも安心しない

スーパーLLC だと、クーラントの劣化が色とかでは判定しにくいってはなしも

どして?

強力に錆を防ぐし、反応しても沈殿物ができないよう工夫されてるので、劣化が進んでもクーラントの見た目はきれいってこともあるとか

防錆剤の詳細は非公開

ところで、クーラントに使われてる防錆剤の成分って、どこに書いてあるの?

製品ごとの具体的な化学物質の名前は公表されてなさそう

似た性質のもの同士だと、どれでもそれほど大きな性能差はないみたいなんだけど…

スーパーLLC 同士なら似たようなしくみで似たような性能だけど、製品ごとに使われてる成分は同じとは限らないんですね

スーパーLLC の防錆剤には、価数の大きいカルボン酸などが使われてるって話も。無機酸系の防錆剤に比べて有機酸系のものは寿命が長く LLC によく採用されるんだけど、価数の小さいものはエチレングリコールが劣化しはじめると沈殿が生じやすいのだとか

その製品、ほんとうにスーパーLLC ?

具体的な成分が非公開なので、製品名に「スーパー」が入っていても、ほんとうにスーパーLLCなのか、普通のLLCなのか、ちょっと分からないところもあって…

確実に スーパーLLC を使いたいなら、メーカー純正品ってことになっちゃうかも

逆に、メーカー純正品では商品名に「スーパー」は付いてないけど実際には スーパーLLC ってことも

添加剤は慎重に

もしかして、最新の防錆剤が入った添加剤をマメに入れちゃえば スーパーLLC と同じ? 作業も簡単そう

うーん。防錆剤は配合が重要で、入れすぎると逆効果ってことも。クーラントの成分との相性も分からないし、クーラントの状態を正確に把握しないと投入するタイミングが判定しにくかったり…

クーラントを添加剤で管理するのは意外と難しいんですね